高プロラクチン血症(無月経乳汁漏出症候群)

ホルモン検査にて血中のプロラクチンが高い場合を、高プロラクチン血症といいます。
不妊の場合や異常な乳汁分泌があり、高プロラクチン血症を疑った場合にプロラクチン測定をおこないます。

なぜ増えるとダメなの?  どうなるの?

本来プロラクチンは、脳の下垂体というところで作られており、妊娠中・産褥期に増え、おっぱい(乳汁)を作るのを助けたり、間接的に月経を止めたりする働きをもっています。ところが妊娠中や産褥期でないときにプロラクチンが
増えてしまうと、おっぱい(乳汁)がでたり、月経が止まったりしてしまい不妊の原因となるのです。
なぜ増えるの?

大きく分けて5つあります。
1.(特発性) 原因がわからないもの。
2.(プロラクチノーマ) 下垂体などにプロラクチンを産生する腫瘍ができた場合。
3.(視床下部・下垂体障害)  プロラクチンの産生を制御する機能(視床下部・下垂体)が低下した場合。
4.(薬剤性) プロラクチンを沢山作るように働きかけてしまう薬を飲んでいる場合。(ドパミン受容体遮断薬、ドパミン生成阻害薬、エストロゲン製剤など)
5.(甲状腺機能低下症) 喉には甲状腺がありますが、そこでは甲状腺ホルモンというホルモンが作られています。甲状腺の機能が低下して甲状腺ホルモンが少なくなると、視床下部から甲状腺ホルモンをもっと多く作るように働きかけるTRHというホルモンが作られます。このホルモンにはプロラクチン産生も助ける働きがあり、そのためプロラクチンが増えます。
どうやって治すの?

特発性の場合などでは、プロラクチンの産生を抑えるブロモクリプチンなどの薬を服用します。

原因がわかっている場合にはその原因を解決していきます。
1.(特発性)
プロラクチンの産生を抑えるブロモクリプチンなどの薬を服用します。

2.(プロラクチノーマ) 
プロラクチンの産生を抑えるブロモクリプチンなどの薬を服用します。可能ならば手術で腫瘍と取り除きます。(Hardy手術など)

3.(視床下部・下垂体障害) 
視床下部や下垂体を傷害している腫瘍や炎症を取り除きます。

4.(薬剤性) 
原因となる薬を中止または減らします。
中止できない場合もあるので、中止は医師の相談のもとおこなって下さい。

5.(甲状腺機能低下症) 
甲状腺ホルモンを補充します。