タイミング法

明らかな他の原因がない場合、不妊治療のファーストステップは、タイミング指導です。
ほとんどに健康保険が適用されますので、金銭的にも負担が軽くなります。併せて不妊の原因も解決していきますが、このタイミング指導だけで、妊娠される方も少なくありません。
頸管粘液検査・超音波検査・尿中LH検査 などにより、排卵期を予想し、受精率の高いタイミングを指導します。

頚管粘液検査
排卵が近づくと子宮の出口の頚管から透明で粘りのある粘液が大量にでてきます。この粘液の性状を観察することにより、おおよその排卵日の推定が可能です。
超音波による卵胞径の計測や尿中LH検査に比べると、その精度は落ちます。検査の痛みはありません。排卵期が近くなってくると卵胞ホルモン(エストロゲン)の産生が多くなるので下の表の卵胞ホルモンによる変化があるかを、確認します。

  卵胞ホルモン(エストロゲン)による変化 黄体ホルモン(プロゲステロン)による変化
頸管粘液の変化 無色透明
量が多い(0.3ml以上)
粘調度↓(粘っこさ)
牽糸性↑(どのくらい糸を引くか)(10cm以上伸びる)
シダ状の結晶
不透明
量が少ない
粘調度↑
牽糸性↓ 
精子の泳ぎやすさ
(プールに例えると)
水が多くてさらさらしているので泳ぎやすい 水が少なくねばねばしていて泳ぎにくい

超音波による卵胞径の計測
超音波検査により卵胞(卵子の入った袋)の直径を観察します。
月経が終わった頃から毎日約1.5mm(前半1~1.5mm、後半1.5~2mm)づつ大きくなり、直径は約20~24mm(最長直径)、あるいは約18~22(長短径平均)で排卵になります。
この検査と尿中LH検査を組み合わせることにより、ほぼ正確に排卵日を予測できます。

LHサージ

尿中LH検査
排卵は、脳下垂体からLHというホルモンが一度に大量に放出されること(LHサージ)が引き金になって起こります。このため、排卵の前日に尿中LHが急に上がります。排卵が近くなった頃から毎日尿をとってLHを調べ、陽性になった翌日あたりが排卵日になります。
LHサージの発生後、人間は通常24〜36時間以内に排卵します(サージのピークはサージの約10〜12時間後)。