はじめに

日本の硬膜外無痛分娩率は徐々に増加しています。帝王切開を含むすべての分娩に占める割合は、2007年の全国調査では2.6%でしたが、2023年の報告では13.8%に増加しており、年間約9万人の妊婦さんが硬膜外無痛分娩を行なっていると概算されています。(※ 厚生労働省, 令和5(2023)年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況より)

また、北米やヨーロッパでは一般的に硬膜外無痛分娩が行われています。特にアメリカとフランスは硬膜外無痛分娩を受ける妊婦さんが多い国として知られています。アメリカでは硬膜外分娩率は73.1%、フランスは82.2%、カナダは57.8%、イギリスは60%、スウェーデンは66.1%、フィンランドは89%、ベルギーは68%など北米やヨーロッパでは一般的に硬膜外無痛分娩が行われています。(2025年日本産科麻酔学会HPより)

当院では、麻酔専門医、麻酔科標榜医、産婦人科専門医、小児科専門医、複数人の医師が在籍し無痛分娩を管理、サポートしております。妊産婦さん一人一人の出産に対する考え方を尊重し、希望される方は「硬膜外無痛分娩」という方法を選ぶことができます。これは痛みを“和らげる”ことにより自然の分娩を手助けする方法です。ご興味のある方は、こちらの「無痛分娩のご案内」をお読みになり、当院での無痛分娩外来を受診し、当院の無痛分娩について十分なご理解をお願いいたします。その上で、ご希望がありましたら、妊娠34週までの可能な限りはやめに産科医・助産師にご相談ください。

無痛分娩とは

硬膜外麻酔法とは

無痛分娩を行えない方

無痛分娩のメリット

無痛分娩のデメリット

赤ちゃんへの影響

当院の無痛分娩の方法

当院では原則計画分娩(予め入院日を決めて行う誘発分娩)で行っております。

※計画分娩は平日の日中に行いますので、予定していた日よりも先に破水、陣痛が起こった場合は、24時間可能な限り無痛分娩対応を行っております。しかし、夜間や休日、緊急手術などお産が重なっていたり人員的に対応できない状況では安全を期すため無痛分娩対応ができない可能性があります。ご了承ください。

□具体的な流れ (患者様の状況により異なります)

外来(妊婦健診)

①妊娠33週~34週 

無痛分娩をご希望の方は予約が必要ですので、できるだけお早めに産科医・助産師にお申し出ください。こちらの「無痛分娩のご案内」をお読みいただき、ご理解をお願いいたします。

②妊娠36週前後 麻酔科診察