ミレーナ52mg(Mirena, Hormonal IUD)

ミレーナ52mgは、黄体ホルモンを持続的に子宮内へ放出する子宮内システム(IUS: Intrauterine System)です。その特徴は、低用量経口避妊薬(OC)の避妊効果と、子宮内避妊具(IUD)の長期間の避妊効果を兼ね備えている点です。
また、ミレーナは過多月経および月経困難症の治療薬として、国内外のガイドラインで推奨されています。現在では、世界約130カ国で累計約3,900万人の女性が使用しています。

過多月経・月経困難症に対する効果

ミレーナは、器具に付加された黄体ホルモン(レボノルゲストレル)が約5年間にわたり、ゆっくりと子宮内に放出され続ける仕組みです。このホルモンは子宮内膜の増殖を抑制し、内膜を薄い状態に保つことで、月経量を減少させ、月経痛を軽減します。(10〜20%の方は、月経が全く起こらなくなることがあります)

月経困難症には、原因となる病気のない「機能性月経困難症」と、子宮などの病気が原因となる「器質性月経困難症」があります。2014年からは、子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症などに伴う月経困難症および過多月経に対する治療として、保険適用が認められています。

避妊効果のメカニズム

ミレーナ52mgから放出される黄体ホルモン(レボノルゲストレル、緊急避妊薬と同じ成分)は、子宮内膜の増殖を抑制し、内膜を薄く保つことで、受精卵の着床を妨げます。また、子宮の入り口における粘液の性質を変化させ、精子の子宮内への侵入を防ぐことで、高い避妊効果を発揮します。

さらに、ミレーナは黄体ホルモンが子宮にのみ作用するため、低用量ピルのような全身への副作用(頭痛、むくみ、吐き気など)はほとんどありません。そのため、血栓症リスクが高い方や、喫煙者、肥満の方でも、安心して使用することができます。高い避妊効果は、最長で5年間持続します(年間妊娠率1%以下)。
(ミレーナを避妊の目的で使用する場合には、保険は適用されません。2024年現在、自費での価格は50,000円+税です)

ミレーナの副作用・デメリット

・不正出血
・月経周期の変化や月経日数の延長
・腹痛
・一時的な卵巣嚢腫
・感染症のリスク
・器具の脱落や位置のずれ
・挿入時の痛み
・子宮内腔の形状により挿入できない場合
・挿入後1週間程度の性行為の控え
・挿入後6週間以内に無月経が続く場合の受診検査の必要性
・万が一、妊娠した場合には、器具の抜去が流産・早産のリスクを伴う可能性

* ミレーナ挿入前の超音波、感染症、細胞診などの検査が必要です。また、ミレーナ使用中は、定期的な検診が必要です。通常は、装着の1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後、その後は毎年の検診が推奨されます。

ミレーナのバイエル HP 動画も御参考

腹腔鏡の検査と治療

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